脳卒中の外科
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特別寄稿―総 説
技術認定制度の設立趣旨,歩みと展望
岩間 亨冨永 悌二
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2023 年 51 巻 6 号 p. 469-474

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抄録

日本脳卒中の外科学会は2016年度に技術認定制度を設立した.その目的は「脳卒中の外科に関する基本的技術を担保することにより,脳卒中の外科に携わる医師の育成を促進し,脳卒中の外科治療の進歩発展とその診療水準の向上をはかり,国民の福祉に貢献すること」であり,同年より技術認定を目指す医師および技術認定医に対して教育指導を行う技術指導医の認定を開始,翌年より技術認定医の認定を開始した.技術認定医であることが技術指導医の申請要件であるが,2018年度までの3年間は暫定期間として,脳神経外科専門医取得後10年以上を申請要件として運用した.技術認定医の課題ビデオは当初脳動脈瘤クリッピング術とバイパス術または頚動脈血栓内膜剝離術であったが,2019年度には,申請に必要とされる手術経験症例,手術ビデオ審査の対象手術を変更した.2022年度(2021年度申請)までに6回の技術指導医審査,5回の技術認定医審査を行い,延べ750名の技術指導医と346名の技術認定医を認定した.技術指導医,技術認定医ともに認定期間は5年間であり,2021年度,2022年度より技術指導医,技術認定医のそれぞれ初回の更新受けつけを開始した.

本稿では7年を経過した技術認定制度の設立目的,制度開始後の経緯,課題,そして包括脳卒中センターの設置を含めた将来展望に関して概観して述べる.

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© 2023 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
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