脳卒中の外科
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原  著
破裂小児脳動静脈奇形の治療と臨床的特徴
森田 健一中村 公彦志田 和樹村井 志乃澁谷 航平中山 遥子斉藤 明彦
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2025 年 53 巻 1 号 p. 40-47

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抄録

小児脳動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)は,小型でdiffuse nidusをもつことが比較的多い.破裂例では急性期に出血源の同定が困難な場合があり,また境界が不明瞭なため摘出時に残存が生じやすい.さらに成人例に比し再発が多いことも指摘されており,最適な治療方針はいまだ確立されていない.

2012-2024年に当施設で治療した16歳以下の破裂小児AVM7例をもとに,臨床上の問題点を検討した.7例の内訳はSpetzler-Martin分類のGrade 2が6例,Grade 3が1例 で,compact nidusは4例,diffuse nidusは3例であった.摘出術は待機的手術を原則とし,術前塞栓術+摘出術が4例,急性期血腫除去/外減圧術+摘出術が2例,ガンマナイフ治療が1例であった.摘出術は発症後平均29.8日で施行された.発症90日後modified Rankin Scale 0が2例,2が5例と予後良好であった.摘出術を行った6例中,diffuse nidusの2例でガンマナイフによる追加治療を要した.1例は術後早期の脳血管造影で別部位に新たなdiffuse nidusが描出され,他の1例は,脳血管造影上AVMの消失が確認されていたものの,術後2年で異常血管網が出現し,術後3年でAVMの再発を認めた.平均5.5年の追跡期間において全7例で脳血管造影によりAVMの消失を確認した.

小児AVMにおいては,根治術後も長期にわたる注意深い経過観察を要し,時期を選び脳血管造影による精査が重要である.すなわち,術後早期には残存nidusやhidden compartmentの有無を,術後1-2年には再発の有無を評価する.さらに,動的病態と考えるべき小児期を過ぎ成人期に入る時点で,再発やde novo AVMの評価を行うことが望ましいと考える.

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