脳卒中の外科
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原  著
頚動脈内膜剝離術後の血管外径の狭小化 ─その継時的変化と臨床的意義─
小澤 常徳森 宏
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2025 年 53 巻 1 号 p. 31-39

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抄録

動脈内膜剝離術(CEA)の術後再狭窄は,一般的には進行性で,早期のmyointimal hyperplasia(MH)と晩期のプラーク再発に分類される.われわれはプラークMRIの継時的観察で,血管壁肥厚を伴わない内頚動脈外径狭小化を示しその後改善する(temporal shrinkage)症例を経験した.同様の報告は過去にはなく,詳細を報告する.

CEAを施行した38例・40病側中,temporal shrinkageは7病側(18%)に認められた.shrinkage の期間はCEA後半年から2年程度で,頚動脈外径の狭小化の程度は多くは30%程度で,脳梗塞の出現なく追加的外科治療を行った症例はなかった.shrinkageを認めなかった33例(83%)との比較では,狭窄度・高度の石灰化・脳循環不全で関連の傾向が認められた.shrinkageはMHに相当する時期に認められたが,MRIによる血管壁評価が可能になって可視化されたものと考えられた.もやもや病や動脈管閉塞など進行性にshrinkageをきたす他の疾患では中膜の退廃が認められているが,CEA後の可逆的なshrinkageでは,高度に成熟したプラークでの中膜の損傷とその後の再生の関与が考えられた.

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