2025 年 53 巻 3 号 p. 189-193
脳出血に対する外科的治療には,開頭血腫除去術・定位的血腫除去術・内視鏡的血腫除去術があるが,脳卒中ガイドライン 2021においては,血腫量・血腫による圧迫所見・神経学的異常所見の程度によって,被殻出血に対する定位的血腫除去術が推奨されている.定位的血腫除去術は,局所麻酔下でフレームを頭部に固定し,CT室で座標の計測を行い,その後に手術室で局所麻酔または全身麻酔下で行うことが一般的である.今回われわれは,被殻出血に対して,通常のCTを用いた駒井式フレーム座標計測に加え,ハイブリッド手術室で全身麻酔下にてcone-beam CTを用いた座標計測を行い,その後に定位的血腫除去術を施行した1例を経験したので報告する.
症例は高血圧を有する59歳,男性.起床時からの左片麻痺を主訴に当院搬送となり,右被殻出血の診断で,定位的血腫除去術を施行した.通常のCTを用いた血腫座標計測と,cone-beam CTを用いた座標計測との間に大きな誤差はなく,CT室・手術室間の移動を要さず,術直後に手術台上で頭蓋内評価も可能であるため,cone-beam CTを用いた座標計測に基づく定位的血腫除去術は有用な方法の1つになり得ると考えられた.