システム・ダイナミクス
Online ISSN : 2434-2025
SDで何がモデル化できるのか
標準モデルの探究と異分野への応用経験
末武 透
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 21 巻 p. 35-50

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抄録
SD (system dynamics) でモデルを開発する際に、対象を理解し、まずメンタル・モデルと呼ばれる頭脳内のイメージとしてまとめ、次にそのイメージ像を、因果関係図やストック・フロー図によって具体的なモデルとして記述する。SDモデルを構築するためには対象をシステムとして見るなどのSD的な見方が最初に必要であり、モデル構築プロジェクトのインストラクターは、参加者にそのことを最初に教えていく。 次に、具体的なモデルを構築する上で、基本的なモデル構造に関する知識が必要であろう。それは、一次のシステムと、システムが状態遷移する構造、及びサブ・システムが相互干渉する構造だと筆者は考えている。 モデル構築では、モデルの標準形のようなものがあり、それを適用できれば便利である。その観点から、筆者はモデルの標準形をいろいろ研究してみた。結局、ForresterやStermanといったSDの権威者が執筆した教科書に記載され、よく知られ、それゆえに広く応用されてきたモデルがモデル標準形になっているという結論に至った。さらには、こういった標準モデルには、確立した、対象に対するSDモデルに落とし込むための見方や理解のポイントが内蔵されていると考えている。 経営分野や環境分野など、SDが広く適用されている対象では、SDモデルに落とし込むための対象の見方や理解のしかたが確立し、適用できる標準的なモデルも存在する。しかしながら、文学や史学といった、これまでSDがあまり適用されてこなかった分野では、SDではマイノリティであるため、研究事例も少なく、まだ典型的なモデルパターンというものが存在しない。従って、対象をどう理解するかという点で標準的なフレームワークやパターン、アプローチのようなものがまだ存在しない。そのような中で、筆者がどのように文学や歴史の問題をモデル化してきたかについて、本稿で報告する。
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© 2024 システム・ダイナミックス学会日本支部
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