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寄稿 シンポジウム1:第24回 国際年次大会 (J-SLA 2024)
認知脳システムに基づくスピーキングのためのシャドーイング
村岡 有香
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2025 年 24 巻 p. 26-38

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抄録

本稿では, ワーキングメモリやLevelt言語産出モデル(1989)などの認知脳システムを参照しながら, 第二言語(L2)のスピーキングを向上させるための口頭練習としてシャドーイングについて検討した. 2023年に実施された全国学力テストで, 中学生の英語スピーキングテストの平均スコアの低さが明らかになっており, 日本の英語授業におけるL2流暢さの向上は難しいことが示唆されている. 複数のプロセスの同時処理という特徴と発話の自動化が欠如していることから, 第二言語での発話は難しいと考えられる. シャドーイングは, 聞き取った音声の即座な繰り返しを通して, 第二言語でのスピーキング力を高める効果的な練習法として提案されている (Kadota, 2012, 2015, 2018, 2019). シャドーイングがワーキングメモリの音韻ループをどのように活用して強化するか, 発話産出における調音装置と言語化装置をどのように鍛えるかについて論じる. これまでの先行研究では, シャドーイングが音声知覚と言語産出プロセスの一部を自動化することで, 音素知覚, 発音, より速い構音の改善につながることが示されている. 最後に, 7つのステップ (リスニング, マンブリング, パラレル・リーディング, プロソディー・シャドーイング, コンテンツ・シャドーイング, なりきり音読, リテリング) からなるシャドーイング・トレーニングの方法を紹介した. この体系的なアプローチは, 全体的チャンク学習, 分析的規則学習, 自動操作の段階を経て, スピーキングスキルを向上させることを目的としている.

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© 2025 日本第二言語習得学会
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