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最新号
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PART I
特別寄稿
  • ホルガー ホップ
    2018 年 17 巻 p. 5-27
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー

    本稿は、バイリンガルのメンタル・レキシコンの言語を区別しない性質が、L2の文処理に与える影響を考察するものである。語彙処理の遅れや言語横断的な影響がL2とL1の文処理の相違につながるのかどうかを検証するために行われてきた、性の一致と統語構造の構築に関するL2処理研究を概観する。L2の語彙処理の遅れは、L2の文処理における統語構造の効果を遅らせたり弱めたりする。加えて、言語をまたぐ語彙的影響が、L2において、L1の文処理とは異なるパターンを生む。本稿では、「語彙的ボトルネック仮説」の仮定や予測を解説し、その洞察が、現在のL2文処理の諸モデルにどのように組み込まれうるのかを考察する。

PART II
研究論文
  • 大滝 宏一
    2018 年 17 巻 p. 31-48
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー

    本研究は、日本語を母語とする初級レベル英語学習者の間で観察される「目的語脱落」と呼ばれる文法的な誤りの原因を探ることを目的とする。これまでの研究(例えば、Wakabayashi & Negishi, 2003)では、英語学習者の間で義務的な目的語が頻繁に脱落することが報告されているものの、その誤りの原因については、未だ明確な科学的な検証がなされていないのが現状である。本研究では、強制選択課題(Jiang & Haryu, 2014, 2016; Noble et al., 2011)を用いて実験を行った結果、日本語母語話者は,項が1つだけ含まれる文(例えば,the man and the woman aregorpingもしくは「男の人と女の人がチモっている」)に対して,母語(日本語)と第二言語(英語)で異なる解釈を与えることが明らかになった.この実験結果から,母語である日本語からの転移は目的語脱落に関与していないことが示唆された。

PART III
論考
  • 若林 茂則, 穂苅 友洋, 秋本 隆之, 木村 崇是
    2018 年 17 巻 p. 51-84
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/04/16
    ジャーナル フリー

    本論考では,第二言語学習者の文法形態素に見られる変異性がなぜ起こるかという問いに対する解答の提案を試みる. (非常に習得が進んでいる場合でも) 第二言語学習者にとって屈折形態素の使用が難しい―特に屈折が起こるべき場所で原形を使用してしまうような誤りをする―のはなぜかという問いに対し,第二言語習得研究では,ほぼ20年に亘りひとつの正しい答え (特定の原因) を見出そうとしてきた.Wakabayashi (2013) では,この問いの立て方は誤りであり,原因は多層的だと主張した.本論文では,分散形態論 (Halle & Marantz, 1993) の枠組みを用い,Wakabayashi (2013) の考察をさらに一段と「分析的な」方法で推し進め,第二言語の変異性がレキシコンにおける列挙,形態統語操作,語彙挿入,および言語操作後のパフォーマンスに多層的に存在することを示す.

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