抄録
第二言語習得研究において, 項構造の習得は近年多大に着目されている.本論文では, 韓国人英語学習者の第二言語における所格交替の知識に関する新たな発見について考察する.Bley-Vroman & Joo (2001) とSchwartz et al. (2003) の先行研究に従い, 韓国人英語学習者と英語母語話者に容認可能性判断テストを用いて実験を行った.このテストでは, (a) 所格交替, (b) 前置詞句脱落, (c) 主語位置への繰上げという三つの構文が, 中間言語における意味論的動詞分類の知識とその統語的振る舞いを検証するために用いられた.その結果, (c) の点に関してはデータが不明確であるが, しかしながら韓国人英語学習者は (a) と (b) のような英語における所格の動詞分類を正しく習得できるという結果が得られた.