物理探査
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論文
高導電性浅部地層の存在がSNMR信号へ与える影響
Don HunterAnton Kepic
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2005 年 58 巻 1 号 p. 73-77

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抄録
電気伝導度の高い地層で取得された地表核磁気共鳴 (SNMR) データを正確に逆解析し解釈するためには、地表下の電気伝導度構造を正確に推定することが要求される。そのような推定をもとに、高導電性地層の存在が地下水検知の妨げとなるか否かを、SNMR探査の前に予測しておくことは有用と考えられる。本論文では、SNMRのフォワード計算から、与えられた電気伝導度構造モデルについて十分なSNMR信号が生じる深度範囲を決定する方法について述べる。一連の半無限媒質モデルについてSNMRの透過深度を推定し、高導電性半無限媒質 (<10Ωm) では、信号の透過深度は50m未満であることを示す。また、このような半無限媒質モデルでは、送受信ループのサイズを増加しても信号透過深度はほとんど増加しない。より複雑な1次元電気伝導度構造についても、半無限媒体に近似し、この手法を適用することによって、SNMR信号を受信できる深度範囲を適切に推定することができる。
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© 2005 オーストラリア物理探査学会/社団法人 物理探査学会/韓国物理探査学会
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