抄録
小浜温泉は,長崎県島原半島西部に位置する高温の食塩泉である。本地域では,過去に大局的な温泉湧出機構モデルが考えられたが,詳細な湧出機構についてはまだ行われていない。この原因の一つとして本地域の詳細な地下構造がまだ把握されていないことが挙げられる。本研究では,小浜温泉とその周辺地域の詳細な基盤構造を把握することを目的として高密度に測定点を配置した重力測定を行った。また,得られたブーゲー異常にオイラー デコンボリューションを適用することにより断層構造の推定も行った。この結果,地質調査から推定されている東西方向の断層のほか,南北方向の断層も存在することが明らかになった。