東北地方太平洋沖地震 (M9.0) の1ヶ月後 (2011年4月11日) に発生した福島県浜通りの余震 (M7.0) に伴い,既知の活断層である湯ノ岳断層に沿って地表地震断層が出現した。同県いわき市南部の本断層南端部において,CSAMT法および反射法地震探査により深度1kmまでを対象とした地下構造の調査を行った。CSAMT法では,送信源は南東側に約5km離れた地点に敷設し,断層の走向 (NW-SE) に対しほぼ直交方向に 6測線を設置し,約50mの測点間隔で,電場1成分,磁場1成分の測定を行った。また,CSAMT法の最南端測線を含む道路沿いに反射法地震探査を行った。その結果,地表断層の現れた測線では,断層を境に北東側は数 10Ωm~100Ωmの高比抵抗部,南西側は数 Ωm~10Ωmの低比抵抗部となり,南落ち傾斜の岩相境界が捉えられた。一方,地表断層が確認されなかった最南端測線においては,断層延長部より南西側約200mの位置に南落ち傾斜の比抵抗構造,および反射法地震探査による解析断面には反射面の不連続部や撓曲構造が見られ,断層の存在が示唆された。