地下水のモニタリングは基本的には水圧観測孔で観測される様々な情報に基づくが,観測孔で得られた水圧の情報からは実際に地下水がどのように分布しているかを知ることは難しい。岐阜県東濃地域においては10年以上の長期的なタイムスケールで80m以上の地下水位の低下が観測されており,ほぼ同時期に3観測点での絶対重力観測が行われている。我々は重力観測点近傍で発生した観測重力値に影響を与えそうないくつかの事象についてモデリングによる補正を行った。そして東濃地域の多数の水圧観測孔で観測された水圧変化を参照しつつ既知の水理地質構造中での地下水流動を仮定し,それから推定できる重力変化予測値を算出した。その結果、予測値が約3μGal(1μGal = 1x10-8 m/s2)程度の範囲内で観測値と一致することを示した。研究対象地域内全体での長期的な水位低下時の地下水流動は重力データを利用することで説明できたと考えられる。重力ポテンシャル量を断続的に観測し時間変化をモニタリングすることは地下水流動を直接捉えることになり,地下水分布の変化を把握する上で極めて有用であると考えられる。