物理探査
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2次元微動アレイ探査を用いた深部地盤構造探査つくば市における適用例
鈴木 晴彦小西 千里谷田貝 淳佐藤 将小河原 敬徳櫻井 健甲斐田 康弘鈴木 徹高橋 広人稲崎 富士
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2020 年 73 巻 p. 209-217

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抄録

茨城県つくば市において2次元微動アレイ探査を実施した。測線長は約12㎞であり,40台の地震計を用いて,測線を5分割し,約45分間測定を行った。地震計は固有周波数2Hzのジオフォンを用いた。観測点の総計は200点である。観測を行う前に,ハドルテストを行い0.1~10Hzの帯域において,良好なコヒーレンスが測定できることを確認した。CMP-SPAC法により400mごとに24の微動の位相速度を推定した。推定された位相速度の周波数範囲は0.3~5Hzであった。測線の南部,中部,北部ではT字および十字アレイを実施し,2次元アレイにより推定される位相速度との比較をおこない,位相速度が概ね整合的であることを確認した。3成分の微動測定を20地点で実施した。H/Vスペクトルのピーク周波数は0.25Hz~1Hzまで測線内で変化している。位相速度とH/Vスペクトルを用いた多地点同時逆解析によりS波速度構造を推定した。多地点同時逆解析によりボーリングデータによる基盤深度やPS検層結果と整合的な結果を得ることができた。

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© 2020 社団法人 物理探査学会
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