本研究では, 過去2回の調査に引き続き, 2017年時点における公立図書館の指定管理者制度導入状況について網羅的な調査を行い, 近年の動向について分析することを目的とする。調査の結果, 2017年11月現在, 245自治体, 638館において指定管理者により管理運営が行われていることが確認できる。2016年度は新たに22自治体, 74館で指定管理者制度が導入されるなど, 指定管理者制度導入館は増加している。NPO を指定管理者とする図書館は全国で43館に留まるが,地域に根ざした図書館経営を展開する事例も見られ, またNPO 間の交流や情報発信が必要との考えも示された。また, 地元書店による図書館運営の事例も増加し, 地域単位の包括的な図書サービスの可能性につながるものとして注目される。