抄録
筆者は,本論の先行調査として,明治年間の「九州日日新聞」(明治21年創刊)における西洋音楽に関連する記事を網羅的に調査した。その結果,学校における音楽教育の実態が明らかになった。その中でも特に,師範学校や高等女学校に勤務した音楽教員等の活動が多岐に渡ることが判明した。彼らは,学校での音楽教育に加え,演奏会での演奏,音楽教科書等の執筆,楽曲の作詞・作曲,県下の小学校教員等への音楽講習等を行っていた。つまり,彼らの活動は,県下の教育及び文化向上に貢献したと捉えることができる。本稿では,特に,高濱孝一,入江好治郎,犬童信蔵(球渓),成田蔵巳,長橋熊次郎について言及する。音楽教員等は,熊本師範学校,熊本高等女学校,尚絅高等女学校等に勤務していたが,彼らは単独で活動するだけなく,連携して活動していたことも分かった。