生活経済学研究
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店頭決済手段に対する生活者の期待とスマートフォン決済利用の関係
尾室 拓史
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 54 巻 p. 59-72

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抄録
 店頭決済手段が多様化するとともに、生活者にとって店頭決済手段の選択は、家計管理や買い物に伴う時間の節約等の面で、日々の生活に大きく関わるものとなった。また、ここ数年でスマートフォン決済が大きな普及を見せ、一部の生活者にとって欠かせないものとなっている。このため、今後、生活者にとってよりよい決済手段やキャッシュレスに関する政策を検討するうえでは、生活者がスマートフォン決済に寄せている期待について把握することが重要である。以上を踏まえ本稿は、スーパー・コンビニの支払いにおけるキャッシュレス手段利用者を対象とし、スマートフォン決済利用者が決済手段に寄せている期待の特徴について、非スマートフォン決済利用者と比較しつつ検討を行った。男女別にプロビットモデルによる推計を行った結果、男女ともにポイント還元や容易さを重視する人がスマートフォン決済を利用していること、また、男性については、預金口座の残高管理を重視する人や新型コロナウイルス感染を懸念する人、周囲にあわせる人がスマートフォン決済を利用する傾向が見られた一方、女性について同様の傾向は見られないこと等が分かった。
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