日本生気象学会雑誌
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原著
繁殖季節における同種動物の身体各部位のニオイに 対する雄ヒツジの反応性
竹村 勇司小笹 直子塗師 憲太郎原田 史
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2001 年 38 巻 3 号 p. 89-106

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抄録

日本コリデール種ヒツジの繁殖季節最盛期に,発情周期を示す成雌3頭,妊娠成雌2頭,春機発動期育成雌2頭,および成雄2頭の体表25ヵ所のニオイに対する性成熟雄10頭(成雄8頭と育成雄2頭)の嗅覚行動反応を観察し,性成熟雄が興味を示すニオイの体表分布を調べた.観察項目は(1)ニオイ嗅ぎ行動:忌避,興味弱,興味中,興味強の4段階評価;(2)ニオイ嗅ぎ持続時間:短,少長,長,特長の4段階評価;(3)フレーメン行動発現の有無とした.観察の結果,性成熟雄は1)成雄よりも成雌や育成雌のニオイに強い興味を示すこと,2)肛門部では成雌や育成雌のニオイに興味を示すが成雄のニオイは忌避し質的に異なる反応を示すこと,3)成雌や育成雌の尿,外陰部,肛門,ならびに尾根腹側面,眼窩下洞,鼠径洞,および趾間洞に存在する変形皮膚腺のニオイに特に興味を示すこと,4)発情間期よりも発情期のニオイにより興味を示す傾向のあることが示唆された.

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© 2001 日本生気象学会
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