日本生気象学会雑誌
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原著
人工炭酸泉への入浴時間の違いが関節可動域に与える影響
水野 貴正中野 匡隆松本 孝朗梅村 義久
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2013 年 49 巻 4 号 p. 149-155

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抄録

本研究の目的は人工炭酸泉への入浴時間の違いが足関節最大背屈角度に影響を与えるかどうかを明らかにする事とした.被験者は男性 8 名であった.始めに足関節を底屈位から最大背屈位まで 1 deg/s の速度で受動的に背屈させながら,受動トルク,足関節背屈角度を測定した.その後,人工炭酸泉(CO2 ≥ 1,000 ppm,33℃)またはさら湯(33℃)に右下腿を 5 分,10 分,20 分間入浴する試行を異なる日に行い,再び受動背屈中の測定を行った.入浴後,足関節最大背屈角度は 10 分間の人工炭酸泉およびさら湯浴後有意に増加し,最大背屈位の受動トルクは人工炭酸泉およびさら湯浴後有意に増加した(P < 0.05).また,人工炭酸泉入浴の 3 試行では,全入浴試行後に皮膚血流量が有意に増加したが(P < 0.05),さら湯試行では変化しなかった.以上の結果から,姿勢固定での 10 分間の中性水温の人工炭酸泉浴およびさら湯浴により足関節最大背屈角度は増加することが明らかになった.

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© 2013 日本生気象学会
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