運動による暑熱馴化と気候による暑熱馴化に関する研究
1985 年 22 巻 1 号 p. 17-21
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1985 年 22 巻 1 号 p. 17-21
非運動鍛練者の男子大学生10名について, 暑熱暴露時の生理的反応の季節変動と冬季に中和温域でR.M.R.5.0の運動を60分間連日2週間行わせる運動鍛練による変化を測定して, つぎのような結果を得た.
1.夏には冬と比較して発汗量の増加, 汗のNa濃度の低下, 直腸温上昇度の減少, および心拍数増加度の減少の季節変動がある.
2.運動鍛練による馴化により, 発汗量の増加, 汗のNa濃度のわずかの減少, 直腸温上昇度の減少および心拍数の著しい減少が認められた.
3.汗のNa濃度の季節変動は運動鍛練による変化より大きく, 心拍数増加度の季節変動は運動による変化より小さかった.
4.発汗量と直腸温上昇度の比率の季節変動は, 運動鍛練時とほとんど同じであった.
5.発汗量当りの汗のNa濃度の減少は, 季節変動による夏の減少度が運動鍛練による低下より大きかった.
6.心拍数の増加度と直腸温上昇度との比は, 運動鍛練による減少が季節変動による夏の減少より大きかった.
