日本生気象学会雑誌
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間脳頭頂部のカバーによるイモリの歩行活動リズムへの影響
千葉 篤彦青木 清
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1989 年 26 巻 1 号 p. 15-27

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抄録

イモリの間脳頭頂部に光遮蔽のカバーをして歩行活動リズムへの影響について調べた.24時間および23.75時間という2つの異なる周期の明暗サイクルの下で, イモリの間脳頭頂部の頭蓋にアルミホイルを貼ることによって光入射を遮蔽した.本研究に使用したすべての実験動物は, あらかじめ恒暗条件下でその歩行活動リズムの自由継続周期 (τ) を測定した.
τが与えられている明暗サイクルの周期 (24時間, あるいは23.75時間) の近傍になかった個体では, カバー操作後, それ以前に観察された通常の活動パターンを現さなかった.これに対し, τが与えられている明暗サイクルの周期に近似している個体では, カバー操作後も活動パターンへの影響はみられなかった.
これらの結果は, イモリでは松果体および眼における光受容機能が, 明暗サイクルに同調する歩行活動のリズムの形成に強く関与していると考えることによって説明することができる.

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