日本生気象学会雑誌
Online ISSN : 1347-7617
Print ISSN : 0389-1313
ISSN-L : 0389-1313
族譜による朝鮮の15世紀以来の月別出生数の分布
川名 はつ子三浦 悌二
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 26 巻 1 号 p. 57-62

詳細
抄録

各国とも人口動態統計の整備される以前には月別出生の統計はなく, 長期の変動を観察するための資料に乏しい.このたび信頼できると思われる朝鮮の族譜の記録から1399~1980年生まれで出生年月の明らかな13, 004人について調べ, 従来知られていなかった朝鮮での月別出生数を明らかにした.その結果, 15~18世紀には春と秋の2つの山がみられたが, 19世紀以降はその傾向が弱まり, さらに20世紀中ごろになると春の山のみが高くなり, 20世紀前半の日本と共通のパターンが見られた.その後, 日本では1964年から一年中ほぼ平坦となったが, 朝鮮では1970~1980年代に入っても, まだ早生まれの多いパターンを残していた.本研究の20世紀に入ってからの動向は, 朝鮮総督府統計年報や韓国人口動態統計から調べた一般人口の結果とほぼ一致した.

著者関連情報
前の記事
feedback
Top