農業生産技術管理学会誌
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液肥の施用がポット植えウンシュウミカン幼木の生育ならびに樹体栄養に及ぼす影響
上松 富夫
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2009 年 16 巻 1 号 p. 37-45

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抄録

1年生'宮川早生'(台木はカラタチ)を50Lポットに植え,土壌および植物体に及ぼす液肥樹上散布の影響を試験した.試験区として水溶性粉末複合肥料の希釈液を用いた液肥区(300培液・18回区,150倍液・18回区,150倍液・6回区)と,化成肥料区,有機配合区,有機質肥料区および無施肥区を設定した.300倍液の窒素濃度は500ppm,150倍液は1,000pmとした.施肥窒素量は無施肥区を除き,各区ともにポット当たり4.33gとした.土壌の無機態窒素含有量を比べると,液肥区は他の区より多くなったが,液肥区間に差がなかった.液肥区の樹体乾物量(生育量)は化成肥料区,有機配合区および有機質肥料区と同等であった.樹体の3大要素含量は各施肥区ともほぼ同等であった.液肥区は有機配合区および有機質肥料区と同等の肥効を示した.液肥区に比べて化成肥料区は窒素の肥効が高く,加里の肥効が低い傾向であった.液肥区間の窒素肥効に差はなかった.有意差は認められなかったが,3大要素の肥効において150倍・18回区は150倍・6回区と同等あるいはやや優れる傾向があった.

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© 2009 農業生産技術管理学会
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