農業生産技術管理学会誌
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莢先熟状態の黒ダイズを脱粒機で脱粒作業する場合の最適収穫時期の検討
土本 浩之大西 政夫門脇 正行伊田 圭佑岡田 憲章河原 克明山根 研一
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2010 年 17 巻 1 号 p. 17-21

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抄録

莢先熟状態の黒ダイズ品種丹波黒の年内出荷を目指し脱粒機で脱粒作業する場合の最適収穫時期の検討を行った。通常収穫日の30,21,10および0日前に収穫する4収穫時期処理、通常収穫日の30日前に摘葉し,収穫日まで立毛状態とした立毛時摘葉区,収穫直後に摘葉した乾燥時摘葉区および無摘葉区の3摘葉処理,収穫直後に屋外で自然乾燥後,機械脱粒する区とハウス内で自然乾燥後,手脱粒する2乾燥脱粒処理を組合わせた試験区を設けた.屋外乾燥区のm^2当たり粒数はハウス内乾燥区のものより,有意に低くなったものの,収量に有意差はなかった.30日前収穫では精粒歩合は有意に低下したが,摘葉処理が収量に及ぼす影響は認められなかった.以上より,莢先熟状態に陥った黒ダイズにおいて,通常収穫時期とほぼ同程度の収量を達成しながら,十分な乾燥期間を確保するには,通常収穫期の約20日前に収穫し,摘葉せずに屋外で自然乾燥すれば良いと考えられる.

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© 2010 農業生産技術管理学会
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