農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
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レーザ光によるカンキツ類果皮の粗滑測定法
近泉 惣次郎水谷 房雄
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2010 年 17 巻 3 号 p. 73-78

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抄録

カンキツ類の果皮表面の粗滑を計測する装置の開発を目的として,レーザ光を用いた測定方法の検討を行った.供試材料には果面の凹凸の差の小さいものから凹凸の差の大きなカンキツ類の果実を用いた.'宮川'早生ウンシュウの果面は滑らかで凹凸の差が0.1mm以下の粗滑についても測定することができた.次に,'清見'タンゴールの滑らかな果面では0.1mm前後あることが測定によって分かると共にかなり粗い果面をもった果実の凹凸の差は0.2mm前後であることも測定の結果分かった.'清見'タンゴールの"こはん症"の発生部はかなり大きな陥没状態を示すが,この陥没部分の凹部は0.2〜0.4mmの深さであることが測定によって分かった.'清見'タンゴールと'宮内'イヨを交雑して得られた果実は果面の凹凸が激しく,凸部の高さが1〜3mmあることが測定で分かった.レーザ光を用いることによってカンキツ類の果面の粗滑を測定することが可能であることが分かった.

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© 2010 農業生産技術管理学会
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