農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
17 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 近泉 惣次郎, 水谷 房雄
    原稿種別: 本文
    2010 年 17 巻 3 号 p. 73-78
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー
    カンキツ類の果皮表面の粗滑を計測する装置の開発を目的として,レーザ光を用いた測定方法の検討を行った.供試材料には果面の凹凸の差の小さいものから凹凸の差の大きなカンキツ類の果実を用いた.'宮川'早生ウンシュウの果面は滑らかで凹凸の差が0.1mm以下の粗滑についても測定することができた.次に,'清見'タンゴールの滑らかな果面では0.1mm前後あることが測定によって分かると共にかなり粗い果面をもった果実の凹凸の差は0.2mm前後であることも測定の結果分かった.'清見'タンゴールの"こはん症"の発生部はかなり大きな陥没状態を示すが,この陥没部分の凹部は0.2〜0.4mmの深さであることが測定によって分かった.'清見'タンゴールと'宮内'イヨを交雑して得られた果実は果面の凹凸が激しく,凸部の高さが1〜3mmあることが測定で分かった.レーザ光を用いることによってカンキツ類の果面の粗滑を測定することが可能であることが分かった.
  • 川上 昭太郎, 坂口 栄一郎
    原稿種別: 本文
    2010 年 17 巻 3 号 p. 79-83
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー
    水分を指標とした流通過程でのバラ切り花の非破壊品質評価法を将来において確立するため,まず本研究では花首付近から切り取った茎を用いて破壊測定による曲げ試験を行い,茎の力学特性値と水分の関係を検討した結果、以下の結論を得た.1)茎の水分が減少し萎れることにより曲げ荷重,曲げ剛性の値が小さくなった.それらの関係を対数近似式で求め,曲げ荷重と曲げ剛性それぞれから2.2と2.3%w.b.のRMSDで水分を推測することができた.2)茎のたわみに対する曲げ荷重の最大変化率ΔP_<max>が水分の減少で小さくなった.ΔP_<max>による水分推定式は曲げ荷重や曲げ剛性よりも小さいRMSD(2.0%w.b.)でバラ切り花の茎の水分を推測できた.この結果から茎の力学特性値による水分推定の可能性が示唆された.今後,非破壊での測定法を確立することで簡易的な水分測定が可能となり,流通過程などでリアルタイムでの水管理につながると期待できる.
  • 張 姿, 中野 浩平, 前澤 重禮
    原稿種別: 本文
    2010 年 17 巻 3 号 p. 85-91
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー
    急冷処理(CST)時間が緑熟トマトの果皮色変化と抗酸化システムに及ぼす影響を調べるため,緑熟トマトを氷水中で1〜3時間急冷処理した後,20℃に1週間貯蔵した。3時間急冷処理した緑熟トマトは,未処理果に較べて1.6日早く(9.9日→7.7日)赤色に到達し,低温障害の発生はなかった。この結果は,既報の研究成果にはない新しい現象であり,果皮色変化の加速には,スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)とパーオキシダーゼ(POD)の活性低下が関与している可能性が示された。一方,1時間急冷処理した緑熟トマトは,未処理果に較べて3日遅れて(9.3日→12.3日)赤色に到達し,マロンジアルデヒド(MDA)含量は減少,アスコルビン酸濃度は増加,SODおよびPOD活性は増大した。以上の結果より,急速処理時間に依存する緑熟トマトの果皮色変化は,抗酸化システム変化と関連していることを示唆している。
  • 西村 安代, 福元 康文, 李 進才, 前澤 重禮
    原稿種別: 本文
    2010 年 17 巻 3 号 p. 93-99
    発行日: 2010/12/15
    公開日: 2019/04/12
    ジャーナル フリー
    (1)EC値を1.5dS/mに設定したEC管理区,(2)培養液を減少量だけ追加する追加区,(3)培養液を更新する更新区,(4)かけ流し(非循環)区とした4種類の培養液管理の違いがメロンの無機成分含有率,生育および果実肥大・品質に及ぼす影響について,軽石培地で試験を行った.EC管理区は果実肥大・品質が最も良好で,栽培期間中の培養液のpH,ECおよび肥料5要素の変化が最も小さかった.EC管理区,更新区,追加区のpHは交配1ヶ月以降から低下する傾向にあった.培養液タンク内のEC値は,更新区と追加区では交配後2週間目まで低下傾向にあったが,それ以降収穫期まで上昇し続けた.以上より,軽石培地メロン栽培では,EC1.5dS/mを基準とした低濃度培養液管理でもかけ流し式と劣ることなく,果実肥大・品質が良好であった.また,培養液管理は省力的であり,さらに培養液の排液を出さないため,環境負荷の軽減に寄与すると考えられた.
feedback
Top