農業生産技術管理学会誌
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軽石培地を用いたメロン栽培における培養液管理方法の違いが養分吸収,生育および果実品質に及ぼす影響
西村 安代福元 康文李 進才前澤 重禮
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2010 年 17 巻 3 号 p. 93-99

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抄録

(1)EC値を1.5dS/mに設定したEC管理区,(2)培養液を減少量だけ追加する追加区,(3)培養液を更新する更新区,(4)かけ流し(非循環)区とした4種類の培養液管理の違いがメロンの無機成分含有率,生育および果実肥大・品質に及ぼす影響について,軽石培地で試験を行った.EC管理区は果実肥大・品質が最も良好で,栽培期間中の培養液のpH,ECおよび肥料5要素の変化が最も小さかった.EC管理区,更新区,追加区のpHは交配1ヶ月以降から低下する傾向にあった.培養液タンク内のEC値は,更新区と追加区では交配後2週間目まで低下傾向にあったが,それ以降収穫期まで上昇し続けた.以上より,軽石培地メロン栽培では,EC1.5dS/mを基準とした低濃度培養液管理でもかけ流し式と劣ることなく,果実肥大・品質が良好であった.また,培養液管理は省力的であり,さらに培養液の排液を出さないため,環境負荷の軽減に寄与すると考えられた.

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© 2010 農業生産技術管理学会
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