農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
セイタカアワダチソウが優占する耕作放棄水田跡地に放牧した山羊の草類選好性および除草効果
主税 裕樹内富 大輔溝口 由子福永 大悟大島 一郎高山 耕二中西 良孝
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 21 巻 2 号 p. 41-47

詳細
抄録

セイタカアワダチソウ(Solidago altissima L.)が優占する耕作放棄水田跡地に山羊3頭を62日間定置放牧し,山羊による草種の選好性および除草効果について検討した.各野草の相対積算優占度(SDR_2')および山羊の採食植物頻度(GF)を調べ,山羊の各野草に対するIvlevの選択性指数に基づく指数(SI)を算出した.セイタカアワダチソウに対するSIは放牧5日目で有意な負の値を示し(P<0.05),山羊は忌避を示したものの,放牧32日目には有意でなくなり,忌避の程度は小さくなった.また,退牧時(放牧62日目)にセイタカアワダチソウの草高および植物地上部現存量は対照区と比べて試験区で半分以下となった(P<0.01).以上より,セイタカアワダチソウに対する山羊の選好性は必ずしも高くはないものの,セイタカアワダチソウが優占する耕作放棄水田跡地に山羊を放牧することで十分な除草効果が得られることが示された.

著者関連情報
© 2014 農業生産技術管理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top