農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
21 巻, 2 号
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  • 濱中 晃弘, 宮島 郁夫, 井上 直也, 島田 英樹, 笹岡 孝司, 松井 紀久男
    原稿種別: 本文
    2014 年 21 巻 2 号 p. 33-39
    発行日: 2014/09/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    インドネシアの石炭露天掘り鉱山における採掘跡地の早期環境修復および産業用途での有効利用を目的として,繊維作物として有望なカジノキの発芽促進処理法,現場生育試験および最適培土の検討を行った.その結果,カジノキ種子を80℃の温湯に10秒間浸漬処理することで発芽率が向上した.得られたカジノキ実生はインドネシアの露天掘り石炭鉱山の採掘跡地において生育が可能であり,発芽1カ月後に採掘跡地へ植え付けることで,苗圃での管理期間が短縮できるだけでなく,植え付け後の生育も良好であった.カジノキの生育には砂と粘土がほぼ1:1の割合で混合された土壌が最も適していた.
  • 主税 裕樹, 内富 大輔, 溝口 由子, 福永 大悟, 大島 一郎, 高山 耕二, 中西 良孝
    原稿種別: 本文
    2014 年 21 巻 2 号 p. 41-47
    発行日: 2014/09/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    セイタカアワダチソウ(Solidago altissima L.)が優占する耕作放棄水田跡地に山羊3頭を62日間定置放牧し,山羊による草種の選好性および除草効果について検討した.各野草の相対積算優占度(SDR_2')および山羊の採食植物頻度(GF)を調べ,山羊の各野草に対するIvlevの選択性指数に基づく指数(SI)を算出した.セイタカアワダチソウに対するSIは放牧5日目で有意な負の値を示し(P<0.05),山羊は忌避を示したものの,放牧32日目には有意でなくなり,忌避の程度は小さくなった.また,退牧時(放牧62日目)にセイタカアワダチソウの草高および植物地上部現存量は対照区と比べて試験区で半分以下となった(P<0.01).以上より,セイタカアワダチソウに対する山羊の選好性は必ずしも高くはないものの,セイタカアワダチソウが優占する耕作放棄水田跡地に山羊を放牧することで十分な除草効果が得られることが示された.
  • 平山 耕三, 糸原 義人, 山本 晴彦
    原稿種別: 本文
    2014 年 21 巻 2 号 p. 49-62
    発行日: 2014/09/15
    公開日: 2019/04/11
    ジャーナル フリー
    農家は,日々同じ作業を行っているにもかかわらず,高級な牛肉を生産する農業者と,そうでない農業者がいる.本稿では農家の行動や考え方に注目し,農作業の内容や農業以外での活動について調査を実施した.その結果,次のことが明らかになった.技術は日常作業と不定期の作業の組み合わせで成り立っており,日常作業管理においては,「清掃作業」であり,不定期管理においては「敷き料交換作業」が大きく影響していることに統計的有意性が見られた.これらの作業を重点的に行うかどうかより,上物生産の差となって現れている.また,管理要因では,牛体の管理,飼養環境が上物生産に影響していることに統計的な有意差が見られた.農家の主体性については,営農意欲と獣医師に任せず自ら投薬する自主性,専門誌購読など知識欲などに統計的な有意差がみられた.このことより肥育経営は,営農意欲を持って,専門知識の獲得活動等に積極的に取り組むとともに,牛舎環境,飼養環境等の向上により牛に快適な環境を与えることで上物率が高くなる傾向が高い.
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