抄録
インドネシアの石炭露天掘り鉱山における採掘跡地の早期環境修復および産業用途での有効利用を目的として,繊維作物として有望なカジノキの発芽促進処理法,現場生育試験および最適培土の検討を行った.その結果,カジノキ種子を80℃の温湯に10秒間浸漬処理することで発芽率が向上した.得られたカジノキ実生はインドネシアの露天掘り石炭鉱山の採掘跡地において生育が可能であり,発芽1カ月後に採掘跡地へ植え付けることで,苗圃での管理期間が短縮できるだけでなく,植え付け後の生育も良好であった.カジノキの生育には砂と粘土がほぼ1:1の割合で混合された土壌が最も適していた.