農業生産技術管理学会誌
Online ISSN : 2424-2403
Print ISSN : 1341-0156
簡易計量器付き水稲種子自動被覆装置の開発
山浦 浩二西村 融典十川 和士
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2002 年 9 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

水稲湛水直播栽培用の酸素供給剤被覆種子を自動的に得る簡易計量器付き被覆装置を開発した. 1.開発機の被覆剤計量吐出部は,簡易天秤式が被覆剤吐出スクリュ軸回転数検出方式より吐出精度が高く,実用的であった. 2.簡易天秤の計量カップ容量0.27Lによる設定計量値は,200g程度が適当であり,計量カップへの吐出は流量を多・少の2段階とするより1段階の方が優れていた. 3.被覆剤タンク内の攪拌とタンクの加振は吐出精度に直接的に影響しないものの,ラットホール防止に有効であり,特に攪拌機能は不可欠であると考えられた. 4.被覆剤添加量と水噴霧量,および添加・噴霧後の待機時間で構成する被覆工程において,水/剤比率は17%程度が適当で,種子が多いほど初期から添加・噴霧量を多くでき,待機時間を短くすることができた. 5.直径90cm,深さ30cm,傾斜角49°の回転ドラムによって原料種子質量の2倍の被覆剤を被覆する場合,種子3〜8kgの自動被覆が可能であり,所要時間は20〜39分であった.

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© 2002 農業生産技術管理学会
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