農業生産技術管理学会誌
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促成栽培がボタンの花色と花弁の色素組成に及ぼす影響
王 亮生橋本 文雄青木 宣明劉 政安清水 圭一白石 綾坂田 祐介
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2002 年 9 巻 1 号 p. 77-85

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抄録

ボタンの43品種を供試し,促成栽培が花色と花弁の色素組成に及ぼす影響を調査した.色差により花色変化が顕著に認められないもの(19品種)と認められるもの(24品種)の両品種群に分類した.促成栽培により,日本ボタンは花弁の明度が上昇したが,b^*値は低下した.中国ボタンは明度の変化に有意差が見られなかったが,a^*値が上昇し,b^*値は低下した.アントシアニン組成について,日本ボタンも中国ボタンもPn3G5G占有率が増加した.また,促成により総アントシアニン量(TA)が全品種において低下し,TAの低下により,花色が淡色化することが明らかとなった.従って,花色形質を安定化させるには,補光によるTAの蓄積促進が必要であることが示唆された.

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© 2002 農業生産技術管理学会
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