生産管理
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ナットク現場改善シリーズ「よくわかるポカヨケの本」ポイント解説
藤井 春雄
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2010 年 17 巻 1 号 p. 131-136

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抄録

ひとつの「ポカ」で大変な事態に発展することがある。「製造メーカーでの挟まれ」、「建築現場での墜落」、「運送業での追突」、また「医療での点滴ミス」などにより、尊い人命をなくする事故が日々数多く発生している。その発生原因は、人的ミス(ポカミス)がほとんどである。

このような死亡事故の多い各業界とも、日々あらゆる対策をとり、不注意・ポカミスを無くすよう長年努力してきた。その結果として、わが国の労働災害の死亡者だけでも、昭和36年当時6,700名を超えていたものが、平成21年には1,075名まで減少してきている。しかし、労働災害の死傷者数(死亡+休業4日以上)の数でみると、未だ年間10.5万人の人々が傷つき、死亡している。

世界に目を向けてみると、労働安全対策に非常に積極的なイギリスでは、さまざまな仕組み改善(例;ISO規格ではないが、ISO同等の労働安全衛生マネジメントシステム)により、労働災害による死亡者数では、わが国の1/6~1/7程度を保っている。

そこで、この本では「ヒューマンエラーはなぜ起きる」のか、「ヒューマンエラーによるポカミス」を無くすために「ポカヨケ対策」には、どのようなものがあるのかを、「労働安全衛生マネジメントシステム」の面からと、数多くの業界別改善事例から照会し、読者の今後の安全対策に役立てることができる内容に取りまとめた。

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© 2010一般社団法人日本生産管理学会
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