ITは企業や個人の能力を高め,経済成長を実現させる重要な役割をしている。過去の研究ではIT投資額と効果が議論の中心であったが,必ずしも投資が企業業績に結びついている訳ではなく,企業によってIT投資の大きさと効果に差があることが確認されている。
本論文は流通業におけるIT活用度が生産性に与える影響を明らかにした上で,生産性を向上させる手法を示したものである。まず,IT活用の仮説に基づいて,ある業務に利用するIT機器の活用度と生産性の関係を分析した。結果,IT活用度と生産性に相関関係が確認された。さらに分析結果を利用して,業務効率を改善する手法を提案した。