2011 年 18 巻 1 号 p. 126-131
ゴーン改革は単なるコスト削減ではなく、「限りない顧客への同期化」と「限りない課題の顕在化と改革」という企業ビジョンから体系的に導き出された改善活動の成果であった。これら改善活動の基礎部分は、同社独自の「日産プロダションウェイ」(NPW)にあり、「順序遵守生産」と特徴づけることができる。本報告では最近刊行の書『日産プロダションウェイ――もう一つのものづくり革命――』の基本的な発想を紹介する。生産方式は言葉では表現できない要因を含むと言われているが、日産は言葉と理屈で説明できる範囲をNPWとみなして、生活習慣の異なる内外の32工場で同時に並行してNPWを推進している。