2014 年 21 巻 1 号 p. 65-70
近年,企業が行う研究開発や技術開発などにおいて外部資源を広範囲に活用するオープン・イノベーションが注目されている.しかし,競合企業との差別化という観点からは外部資源への依存の貢献は小さいとする指摘もある.本研究では,企業におけるコア事業群でのオープン・イノベーションの実践に果たす情報システムの役割について議論をしていくために,われわれが過去に実施した質問票調査データを用いて予備的な考察を行った.その結果,コア事業群の遂行に情報システムが不可欠あるいは重大な貢献をするような場合であっても内製や別会社方式のアウトソーシングが必ずしも選好されるわけではないこと,しかしその場合には情報システム業務に関する知識やスキルを維持・向上しようとする積極的な取り組みがなされていることを明らかにした.