生産管理
Online ISSN : 2186-6120
Print ISSN : 1341-528X
研究論文
身体 Resource のトラッキングシステム解析
-運動機能のトラッキングについて-
小椋 優作藤井 勝紀田中 光田中 望
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2019 年 26 巻 1 号 p. 85-90

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抄録

身体資源(resource)は健康経営にとって重要な要素である.したがって,企業の健康経営に対して,身体 resource の有用性を示すためには,時系列的な身体要素のトラッキング変化を解析し,身体 resource のシステム的要素を把握する必要性があろう.そこで本研究は,身体資源の1つである運動機能のトラッキングシステム評価を確立し,学齢期における運動機能の時系列的トラッキングシステムを解析することで,企業従業員の健康体力の獲得可能性を探り,ヘルスマネジメントへのアプローチを模索することを目的とした.文部科学省が公表している運動能力データをコホート的に設定し,小学1年から6年までの平均値と平均値±0.5SD値,平均値±1.5SD値に対してウェーブレット補間モデルを適用した.そして,加齢を考慮した身体的評価チャートを確立した.その評価チャートに小学1年から6年までの運動機能の縦断的データを適用した結果,ほとんどの項目で70%以上のトラッキング状態が確認された.つまり,児童期の6年間において,運動機能の評価がそのまま移行する傾向があることが示唆され,成人の運動機能の推定可能性が類推された.

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© 2019 一般社団法人日本生産管理学会
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