2019 年 26 巻 1 号 p. 79-84
ベルクマンの法則(Bergmann’s rule)とは,Bergmann (1847)が発表した理論で,端的に言えば,「恒温動物では,寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく,温暖な地域では体重が小さい.」という法則である.この法則がヒトに直接適用できるか検討した研究は日本ではほとんどない.そこで本研究は,作成した昭和30年度(1955年度)から平成22年度(2010年度)までの日本全国の高校3年生(17歳)の男女の経年変化評価チャートに47都道府県の身長の経年的推移を当てはめ,経年的推移の評価を導く.これによって,各県の経済成長を考慮しながら身長の経年的変動分布に対してベルクマンの法則を適用する.このことで,ベルクマンの法則の活用程度および範囲を推し量ることができると仮設できる.つまり,ベルクマンの法則の活用程度は教育的生産性に置き換えることができると考え,その生産性の仮説を検討する.