2020 年 27 巻 2 号 p. 29-37
日本は新たな生産プロセスの開発を目指したロボットシステム化の潮流に対応するために,ロボットの要素技術やロボットシステムを適用するエリアを広げながら革新する必要があり,要となるロボットシステムインテグレータ(ロボットSIer)の育成が課題となっている.ロボットSIerにはロボットや周辺機器等の知識とシステム化する技術や技能,システム化の課題究明や解決能力(コンサルティング力)などの広範囲の技術が求められる.このことから,ロボットSIerを効率的に育成するためにスキル標準シートをベースとした領域に分類した科目の知識と装置の利用に関する技術や技能を初心者レベルから段階的かつ分野融合的に関連付け,技術者が主体的に取り組める実践的なカリキュラムが必要である.本研究では,ロボットSIerの若手に対する人材育成に着目し,企業における事例や過去の文献から分析することで教育に必要な技術や考え方,さらに運用法について提案する.