抄録
従来においては、購買機能は、一般に製造の一部の機能として位置づけられ、単に安く財やサービス (以下では「モノ」とする) を購入すればいいと考えられていた。しかし工業化が進展し市場経済の発達した今日の先進国において、こうした考えでは企業の競争力を高めることはできなくなっている。購買の機能は単なるモノを調達するだけでなく、実は「広い意味でのパートナー (協力者) を選択し連携する活動である」。調達先からは、モノだけでなく、情報や技術などの提供をはじめとして、さまざまな協力を得ることになる。SCM (サプライ・チェーン・マネジメント) もこうした観点から「パートナーの連鎖」として位置づけることができる。