抄録
「CSR時代のリスクマネジメント研究会」では、CSR (Corporate Social Responsibility;企業の社会的責任) を実践し、企業の持続可能な発展を実現するために、ビジネスリスクに関するリスク対策レベルを評価する企業診断方法を考案し、企業診断を実施した。企業診断事例から各企業の対策レベルに関して分析を行い、考察を行った。企業診断の結果から、従業員数に比例する企業規模の程度に応じて対策レベルの差異が認められる。これは、従業員数が多いほど、組織が整備され、仕組みづくりが進む傾向にあることによると考えられる。また、本診断による評価方法は、企業規模に応じて対策レベルを適切に評価しており、当初想定した中規模企業の企業診断方法としても活用できると思われる。今後、リスクや危機管理の事例を調査し、処方箋として提示可能なリスク対策のガイドラインの作成を今後検討してゆく予定である。