生産管理
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企業情報システム機能選定方法論における経営の扱い
隈 正雄
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2008 年 15 巻 1 号 p. 129-134

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抄録

企業盾報システムの要件定義段階で, ビジネスプロセスの機能及び情報システムの機能を選定する方法論として, 「企業情報システム機能選定方法論」を開発した。基本的な選定方法の原理は, 現状調査により把握する必要な改善効果と, 方法論が提供するIT機能レベルの改善効果を比較し, 機能選定を行うものである。この原理は, 業務改善には有効であるが, 経営管理や経営戦略に単純に適用できない。
本論では, 企業情報システム機能選定方法論を簡単に紹介し, 次に, 本方法論と経営管理における内部統制, 株式公開への対応について述べる。さらに, 特に新規性を持つ経営戦略に対しても, 本方法論では事前に個々のIT機能単位にその効果を提供しなければならないという課題があるが, その課題解決への取り組みも紹介する。また, 競争劣位という概念に基づく情報システムの機能についても触れる。
以上のように, 企業情報システム機能選定方法論の経営へのアプローチを説明し, 適切な対応ができていること, 及び, 積み残しの課題を明らかにする。

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