開発期間の短縮や製品の設計変更により, 生産設備は遊休化し廃棄されることが多いにも関わらず, 具体的な活用手段の検討が行われてこなかった。本稿では廃棄が決定された遊休設備の取扱いに着目し, 設備を有効活用するための仕組みと「知識の転移」に寄与する手段について検討した。簡易診断による有効活用度評価の仕組み及び性能劣化度診断の仕組みを構築するとともに総合評価として遊休設備の有効活用評価基準を明確化した。数値化された指標により設備診断情報の活用が促進され, 協力会社を含めた有効活用が進展した。廃棄が決定された遊休設備は生産準備や知識習得に対して有効活用できることがわかった。