生産管理
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世界に見る日本の自動車産業
正本 順三
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2008 年 15 巻 1 号 p. 81-86

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抄録

日本の自動車産業は、現在、世界のトップに位置しており、極めて競争優位なポジションにある。これまでの日本の自動車産業の発展を振り返って見ると、その発展の原動力は (1) 生産技術に基づくコスト競争力・品質競争力と、(2) 燃費の良さという選択した領域が原油高という時代環境にマッチしていたこととの2つに集約される。生産技術の優位性は、すでに小さくなって来ている。また、燃費の良さは、事業で集中するべき領域の選択の問題であり、永続的な競争優位ではあり得ない。今後の世界の自動車市場の成長は、これまでの欧米中心から、BRICsに移りつっある。この中で、日本の自動車産業がどのようにして競争優位を築き続けることができるかが、今後、日本の自動車産業が世界のトップであり続けるための課題である。前途は多難である。危機感を持って、絶えざる前進が日本の自動車産業に求められる。

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