生産研究
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研究速報
地中構造物躯体近傍の透水状況の変化に関する基礎的検討
佐藤 真理桑野 玲子
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2010 年 62 巻 4 号 p. 343-346

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抄録

近年,埋設構造物の上部や周辺の陥没事例が報告されている.構造物と地盤の接触面において地下水位の変化や降雨により水みちが形成され,それに沿って周辺の土砂が徐々に流出することでゆるみや空洞が発生し,浅層部に進展して地盤陥没を引き起こすというプロセスが推測されるが,その詳細については未だ明らかとなっていない.本研究では,地盤と構造物の接触面に着目し,接触面を模擬した円筒を透水試験モールド内に設置して透水試験を行うことで円筒の材質や地盤条件が透水性にどのような影響をもたらすかを調べた.その結果,境界面において特定の条件下で透水性が上昇し,水みち形成を助長していることが示唆された.透水特性の変化は,躯体の表面特性や,地盤材料の粒度や密度に影響を受けており,ゆるみが生じて透水性が上昇しているのは躯体近傍のごくわずかな範囲であると推測された.[本要旨はPDFには含まれない]

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© 2010 東京大学生産技術研究所
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