2010 年 62 巻 4 号 p. 371-376
日本の大都市域には,大規模水害が発生した場合,近隣に安全な避難空間を確保することができない,市街地が広範囲にひろがる海抜ゼロメートル地帯(「広域ゼロメートル市街地」)が存在する.今後の気候変動の影響により,確実に増加することが予測されている.河川整備による治水対策だけではなく,都市計画的,或いは,建築物側での対応が重要となるであろう.筆者らは,2006年より東京都葛飾区において住民との協働型ワークショップによりリスク軽減のための短期的,長期的対策を検討する実践的な取り組みを進めている.本稿では,この一連の活動を通して得られた知見を整理する.[本要旨はPDFには含まれない]