2010 年 62 巻 4 号 p. 399-402
近い将来,わが国では大地震の発生が懸念されている.地震発生時に,災害拠点病院ではまず,院内の物的・人的被害を確認して病院全体の診療機能を把握した上で,院外からの患者受け入れのための準備や職員の再配置を行う必要がある.本研究では,地震直後に病院内の物的・人的被害情報を迅速に収集するためのシステムの開発を行い,病院の防災訓練での試験運用を行った.防災訓練当日は,おおむね30分で病院全体の被害情報を収集することができ,本システムは院内被害の迅速な把握に役立つことが示唆された.[本要旨はPDFには含まれない]