抄録
本稿では, まず東北大学の計画系グループの教官が始めている緊急支援物資の流れの調査について概要を紹介する.「ものの流れ」は跡が残らないため把握が難しく, 定量的な記録は過去にも取られていない.3.11大震災後も, 完全な記録は残っておらず, 複数の(不完全な)情報を経験的な知見を援用してつなぎ合わせて全体を推し量る取り組みを紹介する.次に, 今後予想される大地震対策として, 緊急支援物資のロジスティクスの課題を整理する4つの視点(Node, Link, Mode, Information)について考察を行う.