2012 年 64 巻 4 号 p. 597-600
無筋コンクリート胸壁を対象とした現地調査から胸壁に生じたひび割れ性状に関する情報を収集し,確率統計手法に基づいて,目視により簡易に測定できる鉛直方向のひび割れ幅から施設の耐力低下に大きな影響を及ぼすと考えられるひび割れ深さを推定する式を提案した.また,得られた知見に基づき,ひび割れの生じた胸壁を対象に,ひび割れ深さ,ひび割れ本数,構造部材の寸法を変化させた非線形有限要素解析を行い,ひび割れの発生に伴う構造性能の低下を評価した.その結果,ひび割れ状態と構造性能(耐力)との関係を定量的に明らかとした.[本要旨はPDFには含まれない]