生産研究
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研究速報
全身循環を考慮した脳血流シミュレーションと可視化
藤澤 慶Liang Fuyou小林 匡治山田 茂樹高木 周大島 まり
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2013 年 65 巻 3 号 p. 281-284

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抄録

近年,循環器系疾患の発生メカニズムの解明や診断・予測を目的として,血流シミュレーションが有用なツールとして注目されつつある.動脈硬化症の治療として行われるステント留置術は,術後に過灌流症候群によって脳出血を引き起こすことがあることが知られていることから必要な情報を術前に提供することは有用と考えられる.そこで,可視化を含めた1次元-0次元によるマルチスケール全身循環シミュレーションシステムの開発を行った.患者個別の解析のため,医用画像による血管形状の抽出とPC-MRIの計測値に基づく末梢抵抗値を用いた.本解析手法を用いてステント留置術を行った患者に対して行った結果,留置側の脳血管において流量の増加が確認された.

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© 2013 東京大学生産技術研究所
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