抄録
日本の総人口は2005 年を境に減少に転じており,これからの防災対策において,限られた財源内でどのようにして防災対策への投資を効率化するかということは大きな課題の一つとなりうる.このためにはまず,将来の人口減少を考慮に入れた総合的な災害リスクの現状を把握することが重要である.そこで本研究では,まず初めに,様々な自然災害リスクのうち,地震・洪水・土砂災害リスクを対象とし,各種ハザードマップを重ね合わせることで自然災害リスクの地域傾向を分析した.次に,災害リスクと人口減少率という2 つの指標を用いて総合的な地域評価を行い,都道府県を9つのグループに分類し,それぞれの地域特性に適合した今後の防災戦略を提案した.